
安土城は織田信長が天正4年(1576)から築城を開始し、天正7年頃には天主周辺の主郭部が一旦完成したものの、天正10年の本能寺の変直後に明智光秀の軍勢に占拠され、まもなく天主をはじめとする主郭部が消失してしまいます。
これまでは上記のような信長在世期の安土城にスポットが当てられてきましたが、信長死後の安土城についてはあまり注目されることはありませんでした。しかし安土城は、信長が横死し、廃城となった後も維持管理され、また調査・研究・整備を通して後世へ遺されてきました。
本展では安土城を歴史的に捉えるという原点に戻り、廃城以降の安土城の変遷をたどります。そして昭和、平成、令和と続く発掘調査と整備の成果を紹介します。
主な展示資料
◎は重要文化財 □は市指定文化財
伝二の丸下帯曲輪 昭和35~40年の石垣修理状況(滋賀県提供)
□近江国蒲生郡安土古城図(摠見寺蔵)※4/26~5/18
◎安土山下町中掟書(近江八幡市蔵)※4/26~5/18
伝二の丸東溜り出土瓦群(滋賀県蔵)
伝台所跡出土金具(滋賀県蔵)
◎八幡山下町中掟書(近江八幡市蔵)※5/20~6/15
◎鉄鐔―永楽銭据紋銀象眼―(摠見寺蔵)※5/20~6/15(4/26~5/18は複製品)
日本史 第二巻(上松徹氏蔵)
仁正寺太守代々登山記録(摠見寺蔵)
史蹟安土城址指定地内二建碑ノ件 通牒(摠見寺蔵)
昭和15年天主台発掘調査時出土資料(摠見寺蔵)
平成元年~20年発掘調査時出土資料(滋賀県蔵)
令和5・6年本丸取付台発掘調査時出土資料(滋賀県蔵)
春季特別展関連講座
廃城以降から考える、安土城の歴史と調査
- 5月10日(土)13:30~15:00
「廃城後の安土城」講師:佐藤佑樹(当館) - 5月24日(土)13:30~15:00
「安土城 平成の調査」講師:岩橋隆浩氏(滋賀県文化スポーツ部文化財保護課) - 5月31日(土)13:30~15:00
「安土城 令和の調査」講師:松田篤氏(滋賀県文化スポーツ部文化財保護課)